渋谷パルコ2 耐震不足騒動2007年05月24日 13時02分12秒

報道された

 ・IS値=0.21
 ・コンクリート強度 117.55kgf/cm2(平均)

この数値は建築構造や耐震設計の専門家でないと理解できないと思いますが、事実であれば渋谷の繁華街に、とてつもない巨大危険物が放置されているのと同じことです。

大成建設が施工し、大成建設が耐震強度を調査したら『危険値』が出たビル。
だが、大成は『同時期に建てられた建物と同等の耐震性能を持っている』と話している。

なんだそれ?! 説明になっていないゾ。
ということは同時期の建物は全部危険ということなのか?

一般的にIS値(地震に耐える力の指標)は0.3を下回れば、地震で倒壊し、又は崩壊する危険性が高い。とされています。
倒壊とはビルが倒れることで、崩壊とはグシャッと崩れることです。

大成建設のサイト上にも『Is値が0.4以下の建物の多くは倒壊または大破』と明記されている。

日本を代表する繁華街の商業ビルが0.21ではマズイだろう。

コンクリート強度も設計値:210kgに対して計測値:117kg。
建築士の方であればナニが問題だかわかると思いますが、大問題です。

これは2005年の暮に騒ぎになった姉歯物件よりも社会悪ではなかろうか。


【渋谷パルコ2 耐震不足騒動】

5月18日10時0分配信 日刊ゲンダイ

 東京・渋谷のパルコ2で耐震不足騒動が起きている。コンクリート強度が極端に低く、震度6の地震で倒壊の危険性があるというのだ。

 4月下旬、パルコ2の7階にある病院の待合室にこんな「警告」が張り出された。
〈この建物は震度6程度の地震で「倒壊又崩壊する危険性が高い」とされています〉〈強い地震の際は交差点付近側が崩壊する危険が想定されますので、安全性が高いとされているエレベーターホール付近ないしは階段室付近に避難してください〉
 なんとも物騒な警告だが、この病院・仁愛会はパルコ2ビルの大家である。1975年に大成建設がビルを建て、1階から6階までをパルコに貸してきた。そのオーナーがなぜこんな警告書を出したのか。代理人の弁護士が言う。
「ビルが古くなったため、04年にパルコが大成建設に耐震診断を依頼したところ、耐震強度を示すIs値が0.21と出て、必要強度(震度6で倒壊の危険がある)0.6を下回った。これは旧建築基準法では違法ではないのですが、オーナーがさらに専門家に診断してもらったところコンクリート強度が極端に低いことも分かった。大成建設の設計図面では210kg/cm2とあるのに平均117.55kg/cm2と半分しかなかったのです。これは建築基準法違反だと、大成建設側に通告したのですが、誠意ある回答がなかった。そこでオーナーは『地震で倒壊したら人災になってしまう。医者として放置することはできない』と 7階に来る人だけでも警告することにしたのです」
 一方の大成建設はこう反論する。
「パルコ2は同時期に建てられた建物と同等の耐震性能を持っていて、コンクリート強度の117.55も構造耐力上、主要な部分ではありません。耐震調査直後から、オーナーさまに補強工事の提案をしていますが、応じてもらえないのです」(広報室)
 建築基準法違反ではない、と主張する大成建設と、違法建築だから補強工事ではすまないというオーナーは平行線のまま、ついに警告書となったわけだ。この一件を前後して、オーナー、パルコ、大成建設はようやく3者共同によるコンクリート強度検査に動き始めたが、結論が出るまでに震度6の地震が来たら、誰が責任を取るのだろうか。