明暗2009年04月25日 21時24分45秒

終電近くの急行電車が、停車予定のない駅で緊急停車した。

自然に逆らってはいけない。
全ては自然の流れの中にあり、自然に逆らうと歪が起こる。
人生の大先輩と親友と、そんな話しで盛り上がった横浜を後に、帰宅途中のことだ。

今、まさに人身事故が起きたところで、学芸大学駅は騒然としていた。

あのときと似た空気を感じた。
2005年8月の近所の火災。
あれは最悪だった。

あの嫌な感じが、こんな楽しい夜にやってくるのだ。

駅員や消防隊員が、電車の座席に座る自分のすぐ背中で何かをしている気配を感じたが、振り向く気にはなれない。
駅周辺に消防車や救急車が集まってくることは、ガラスに反射する赤いライトや外の気配でわかる。

やがて横たわった物体がブルーシート(といっても色は緑だった)で人目を遮りながら駅から運び出される。

電車をあきらめ、タクシーで別の路線の駅に向かうことを決めた自分の横を通った。

こうなるとタクシーを拾うことは簡単ではない。
バスも寿司詰め状態で乗ることができない。

不自然な現象に対する歪が起きている。

時間のロスと多少の無駄な出費はさして気にならないが、あの嫌な感じは重い。

星になった男たち2007年10月09日 01時14分10秒

2輪ライダーのノリックこと阿部典史さんが亡くなった。
彼の走りは2004年のmotoGP(茂木)で一度だけ生観戦している。

あのクラスの人が一般道で事故死とは、なんとも自分で消化ができない。

そして同じ日のほぼ同じ時間、外食産業の立役者のひとりがひっそりと亡くなっている。

私はその方から直接教えを被ったことはない。
たった一度だけ、直接お話させていただく機会に恵まれている。

『一度、オフィスに遊びにきてください』とおっしゃっていただいたが、その直後に闘病生活となり適わなかった。

今の外食産業はとても深い病に犯されている。

『美味しいものを良いサービスで綺麗な店で出す』という基本を軽視してたり知らなかったりするからだ。

誰よりも説得力のある言葉で、基本を語れる人でした。

深夜の出来事2005年08月31日 21時28分37秒

31(水)の深夜1時頃、パトカーがサイレンを鳴らして近所を走り廻っているようです。
暴走族と警察の追いかけっこだろうと楽観してたら、外で怒鳴り声のような会話が響きだしました。

窓から外を見ると、目の前に消防車が赤灯を点けて停車してました。
慌しく消防署員が消火ホースを持って走り廻ってます。
うぁと思って玄関の扉を開けると、直ぐ側で空が局地的にオレンジ色に光り、煙が立ち昇ってました。
その瞬間、なんともいえない暗く沈んだ気持ちになりましたが、うつむいたまま騒がしい方向に向かいました。

現場では5,6人の消防士が消火活動中でしたが、炎は木造2階建ての民家の屋根を突き破ってました。
状況的に自宅に延焼の恐れがないことを確信し、家に戻りました。

火災による異様な雰囲気は、深夜遅くまで続きましたが、平穏に眠れる空間を持っている我が家には何の不満もありませんでした。

【追記】
この火災で45歳のお父さんと4歳の息子さんが亡くなったことを知りました。帰宅時に小さな異変に気付けなかった、自分のアンテナの低さが悔やまれます。お二人のご冥福をお祈りいたします。